「浅草のおかあさん」の舞台を訪ねて

『浅草のおかあさん』の舞台です。

昭和の時代から平成の時代にかけて、「浅草のおかあさん」と呼ばれた一人の女性がいた。
なぜ、その女性は「浅草のおかあさん」と呼ばれたのだろうか?

浅草の子供たちは、「浅草のおかあさん」を見ながら大人になった。
子供たちが見たものはなんだったのだろうか?

本の目次は下記をご参照ください。
https://asakusa-mother.info/book/

 

第1話 おかあさんたちは星由里子タイプの美人
浅草にいるおかあさんたちの顔は端正であっさり顔だ。この顔が浅草を支えている。

 

第2話 浅草の商売はおかあさんたちが支えている
浅草の食べ物屋や商店の亭主はきわめて愛想が悪い。そんな亭主に任せていると、店は傾むいてしまうが、そこに浅草小町たちがいる。

 

第3話 浅草の学習院「浅草寺幼稚園」
浅草で名門中の名門と言えば「浅草寺幼稚園」である。伝法院の横手にある。お手伝いさんが子供たちの送り迎えをした。

 


 

第4話 先生を自慢しあうおかあさんたち
浅草にいるおかあさんたちは先生のことをけっして悪く言わない。競ってほめあう。

1枚目の写真は浅草小学校。2枚目の写真は田原小学校。浅草小学校は創立144年、田原小学校は創立106年を迎えた(2017年)

 

「あら、先生」と話しかける「浅草のおかあさん」を、「松喜」の角で見かけた。

 

第5話 「被官稲荷」
都立高校の試験日に、「浅草のおかあさん」を「被官稲荷」で見たという人が現れた。
「浅草のおかあさん」は、子供たちのことを思い、お百度参りをしていたという。

 

第6話 「音のヨーロー堂」
浅草にいるおかあさんたちは、子供に無性に習いごとをさせたがった。格好の標的となったのは「音のヨーロー堂」だった。「ヨーロー堂」は「ちんや」の並びにある。(壁が緑のビル)

 

第7話 おかあさんと六区で映画
いま、浅草六区はたいへんな盛況ぶりだ。おかあさんと映画を見た記憶は宝物のように光り続けている。

 

第8話 「ミカワヤ」のケーキ
浅草にいるおかあさんたちは、お世話になった人に「ミカワヤ」のケーキを持って行った。
「ミカワヤ」は「アンヂェラス」の並びと雷門仲通りにあった。写真は「アンヂェラス」とケーキ

「ミカワヤ」とパンの「ペリカン」は親戚同士だった。

 

第9話 なごりを惜しむ「正華」の餃子
「浅草のおかあさん」は訪問客を見送るとき、「正華」に寄った。
「正華」は、いま、すし屋通りで直売所を出している。

地方から来た人は「駒形どぜう」の『丸なべ』に驚いた。

 

第10話 浅草の女になる三社祭
本当に浅草の嫁になれたのか、それを試すのが三社祭だった。
「浅草のおかあさん」の前で、神輿は一段と揺れた。

三社さま(浅草神社)

 

第11話 それぞれの隅田川
「浅草のおかあさん」は橋の上に立つと、さびしさと切なさを上塗りするような感覚になった。

 

第12話 おかあさんと育てた朝顔
爽やかな朝、夏の朝日、「浅草のおかあさんの横顔」 浅草っ子が守り抜いている記憶である。

 

第13話 浅草のおとうさんとかき氷
おとうさんたちは機嫌がいいとき、かき氷の出前を頼んだ。そんな様子が外にも伝わってきた。

 

第14話 浅草の夫婦
「浅草のおかあさん」の亭主は、毎朝、観音さまに手を合わせた。

 

第15話 おかあさんさんたちの夏休みの宿題
工作の材料を「松屋デパート」に買いに行った。

 

第16話 南天や赤きに集う小鳥かな
「浅草のおかあさん」が作った句は浅草中に広まっていった。

 

第17話 目的が明確なおかあさんたちの旅行
おかあさんたちは、日光や鬼怒川温泉によく行った。
「松屋デパート」の2階はすっぽり東武伊勢崎線の浅草駅になっている。

 

第18話 遠足の切り札「志乃多寿司」
おかあさんたちは、遠足に「志乃多寿司」の、のり巻きといなりを持たせてくれた。

 

第19話 人生丸抱え「松屋デパート」
「松屋デパート」で結婚式を挙げる人は多かった。「浅草のおかあさん」をよく婦人服売り場で見かけた。

遊園地があった屋上

 

第20話 『下町の太陽』
浅草中の人が心配した恋愛事件があった。「浅草のおかあさん」は黙って二人の話を聞いた。(写真は田原町交差点)

 

第21話 「佐藤医院」
浅草通りをはさんだ駒形二丁目に「佐藤医院」はあった。

 

第22話 「浅草のおかあさん」の喜び
地方から浅草にやってきた少年たちは、やがて仲間の店員とふざけながら店頭に立つようになる。

 

第23話 浅草の亭主の生きがいは女房
浅草の亭主は寄り合いで井泉のとんかつサンドを手みやげにもらうと、女房にに食べさせたくて、家路を急いだ。写真は上野広小路にある井泉本店

 

第24話 浅草の洋食
おかあさんたちは風邪をひくと出前をとってくれた。
「フナキ」は、うなぎ「色川」の一軒隔てた所にあった。浅草には洋食という看板が合っている。(写真は「ぱいち」)


第25話 お手伝いさんの気持ちが詰まっている焼きいも
石焼きいもの声は、ふけゆく路地のさびしさを感じさせる。

 

第26話 浅草しぐさ
浅草の子供たちは、寿司の出前を取ってみんなで食べるとき、イカやタコ、鮪の赤身など無難なところから手を出していく。
すしや通りにある「寿司清」

 

第27話 浅草気質
「浅草のおかあさん」は亭主の浅草気質に苦労した。
浅草が生んだ文人 久保田万太郎先生も浅草気質に触れている。久保田万太郎生誕の地の碑

 

第28話 「松喜」の肉で締める大晦日
大晦日、おかあさんたちは、すき焼きで亭主を慰労した。「松喜」には行列ができる。

 

第29話 はにかみ
「スガタミ」や提灯の「山崎屋」の前は、人の頭で真っ黒になった。真っ黒は手打ラーメンの「馬賊」、「藪蕎麦」がある並木通りまで続いた。

 

 

浅草は、空気と空気、においとにおいがぶつかりあっている街である。
子供たちが確実にかいだにおいがある。おかあさんのにおいである。別なおかあさんのにおいもかいだはずだ。いつも子供たちの幸せを願っていた「浅草のおかあさん」のにおいだ。

 

 

いつまでも心に残る昭和のおかあさん。
浅草のおかあさん

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