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第4話 先生を自慢しあうおかあさんたち

浅草にいるおかあさんたちをつくづく誇りに思うときがある。

おかあさんたちが、子供の先生を自慢しあうのを、聞くときだ。

浅草のことだから、先生のことをサルだとか、カバに似ているなんてことは言う。だが、先生のことをけっして悪く言わない。競ってほめあう。横で聞いていると、なんだかうれしくなってくる。

どこで聞いてきたのかわからないが、「あんな顔しているけど、あの先生は教育大学(いまの筑波大学)を指折りの成績で卒業したんだって」と言えば、「ああ見えても、あの先生は算数を教えることにかけては、日本中の先生から一目置かれているらしいわよ」という言葉が返ってくる。

それを契機に、「あんな顔しているけど、あの先生に習った子供はみんな理科が好きになるんだって」とか、「ああ見えても、あの先生が一番子供思いだって」というように、ほめ言葉は途切れることなく続く。

しかし、もし近くに話の対象となった先生がいたとしても、「あんな顔」「ああ見えても」が利いているから、おいそれと出るわけにはいかないだろう。

話の節々に、おかあさんたちの表現能力が高いことにも驚かされる。優秀度合いを「指折り」という言葉で表現し、「一目置いている」という言葉を使うところなんかにくいところである。

 

この話には一つだけたしかなことがある。浅草にいるおかあさんたちは自分の子供が教わる先生を知ろうとし、尊敬しようと思っていることである。

自分たちの先生を尊敬するという気持ちは、とても大事に思えてならない。

 

浅草のおかあさん
先生を自慢しあうおかあさんたち から

 

田原小学校も創立108年を迎えた(2019年)

 

「あら、先生」と話しかける「浅草のおかあさん」を、「松喜」の角で見かけた。

 


昭和の時代から平成にかけて「浅草のおかあさん」と呼ばれた女性がいた。
浅草のおかあさん

本の目次

スマホで読む方法

 

・冒頭の画像は創立146年を迎えた(2019年)浅草小学校

第4話 先生を自慢しあうおかあさんたち
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