浅草のおかあさん

第7話 おかあさんと六区で映画

浅草っ子の音楽との付きあいの始まりがヨーロー堂ならば、映画との付きあいの始まりは、間違いなく六区だった。
音楽との付きあいを、おかあさんたちが取りなしてくれたが、映画との付きあいにも、おかあさんたちがいた。

 

いまの浅草六区には残念ながら映画館はない。
六区は、いま、たいへんな盛況ぶりだが、訪れる人にとっては、「ロック」とカタカナで書いた方が自然かもしれない。本などで紹介されているストリップ劇場の「ロック座」、「浅草ROX」からは、とても漢字の「六区」をイメージできないし、「六区」ではちょっと前近代的な感じもする。
しかし、この地域を「六区」と書くところに意味がある。一つの区域を指すことになるからだ。

 

おかあさんと一緒に映画を観たという心躍る出来事、そこで観た映画も、自分の心に宝物のように光り続けている。
それに、自分が住んでいる街で映画を観られるということは、ものすごくおしゃれで素敵なことではないだろうか。
「おかあさんと六区で映画」―そこには、どんなデートも寄せ付けない響きがある。
いま、きれいに生まれ変わった浅草六区。ここで、おかあさんと映画を観られるになったら、六区は本物である。

 

『浅草のおかあさん』目次

 

いま、浅草六区はたいへんな盛況ぶりだ(右の写真は浅草演芸ホール)

 

 

◆「浅草のおかあさん」と呼ばれた女性の物語

浅草のおかあさん

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第7話 おかあさんと六区で映画
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