あの芥川龍之介も浅草を舞台にした小説を書いている。 その小説のタイトルは『浅草公園』である。 ただ、この小説は文庫版にして、たった21枚にすぎない。 おまけに、各段落に1、2、3、と番号がついている。 文の […]
『ぼくは浅草の不良少年ー実録サトウ・ハチロー伝』
「ちいさい秋みつけた」「リンゴの唄」の作詞で有名な、詩人サトウ・ハチローは転校8回、留置所入り30回以上の浅草一の不良少年だったというのだ。 きっと、再婚した父への反抗、仙台へ帰った実母への思いなど、胸中複 […]
『潤一郎ラビリンス(9)浅草小説集』
ラビリンスは迷宮といういう意味であり、複雑に入り組んだものの比喩表現である。 谷崎潤一郎は迷宮浅草に挑んだことになる。 この本には、『襤褸の光』『鮫人』『浅草公園』が収められているが、『襤褸の光』は短編、『 […]
『浅草はなぜ世界の人々を引きつけるのか 1400年の歴史を持つ街の底力』
オンデマンド(ペーパーバック)である。つまり、注文を受けてから印刷し送るという方式を採用している本である。 正直言って、残念の一言に尽きる。 送られてきたものは、12.5cm×16.5cm、53ページの小冊子であり、その […]
『平成二十八年度 浅草神社例大祭 三社祭 公式読本』
こうした公式読本が電子書籍で残るということは、たいへんいいことだと思う。 また、三社祭のことをしっかり知りたい人にも役立つに違いない。 一点注意しなければならないのは、公式読本を画像として保存しているため、記事を指で拡大 […]
『浅草紅団・浅草祭』
川端康成先生と浅草とが上手く結びつかない読者は多いと思う。 しかし、この本は、浅草について書かれたどの本よりも詳しく、どの本より写実的である。 それゆえ、よほど浅草の地理に詳しくなければ、この本に登場する光景を思い描くこ […]
『ぼくの浅草案内』
本の冒頭に、著者は代田橋、日暮里、高円寺、蒲田、池袋などに住んだことがあるが、浅草生まれでもなく、浅草育ちでもないことを紹介している。この点は、『小説浅草案内』を書いた半村良氏と同じである。 このことが、この本を決定づけ […]
『携帯 東京古地図散歩ー浅草編ー』
古地図散歩というと、携帯地図を片手に散歩をイメージすると思うが、この本の「切絵図」と今の地図を比較しながら散歩と考えてもらいたい。 この本の「切絵図」は主に1853年(寛永6年)の「尾張屋板切絵図」だが、こ […]
『浅草風土記』
久保田万太郎は生粋の浅草生まれ(当時の住所では田原町。いまの雷門)の作家として知られている。 同氏は小説家というよりも、もっとフィールドが広く、俳人、劇作家、演出家でもある。 慶應義塾大学文学部に進んだとこ […]
『小説浅草案内』
北海道から浅草に引っ越してきた小説家である著者。 引っ越してきてから、小料理屋などを舞台に浅草の濃い人間模様を描いたのがこの本の内容である、と一見思えるかもしれないが、実は違う。 浅草の人に成り切ろう、成り […]